偽エスカルゴ

バゲットの上に溶かす前のバター

どうしてもエスカルゴが食べたい。でも庭のカタツムリを捕まえて何とかするほど冒険心にあふれているわけではない。山奥にちかいところにすんでいるからといって、無人島なわけじゃない。ロビンソンクルーソーキャストアウェイの主人公ほど悲壮感に打ちひしがれ、かつ悩んでいるわけでもない。
でもエスカルゴが食べたい。

エシャレット、にんにく、バター、パセリはある。あとは、かたつむりだけだ。
近くのスーパーにはない。殻なし缶詰でもいいかと探しても、案の定あるわけなかった。日常の生活品を用意して皆に喜んでもらうスーパーを責めはしない。このオーダーはロングテールだ。
代わりに貝を使えばいいか。なんだろう。サザエか、アカニシ貝か…。こんにゃくでなんとかしたという話をどこかでよんだことがある。でもイメージがわかない。
結局、小ぶりなブラックタイガーが一匹30円だったのでこれに落ち着いた。何匹か買った。
ウェイラミニッ! 殻はどうする。

バケットを切ってそこに窪みをつくって、香味バターとエスカルゴの代用をいれればいいのだ。バターの滲みたパンはおいしそうだ。これでいこう。

  • 香味バター:バターを練って柔らかくして、エシャレット・にんにくのみじん切り、乾燥パセリと塩少々、コショウも少し。よくかき回して。
  • タツムリ代用品:皮をむいて背ワタ取って、1センチ角くらいにカットして料理用白ワインで蒸した。
  • 殻代用品:バゲットを4〜5センチくらいに切って、片面に窪みをいれる。香味バターをぬって蒸したカタツムリ代用品をのせる。そのうえにもう一度バターを仕込んで(写真参照)オーブンへ。

ウェイラミニッ! なんかチーズを載せたくなってしまった…。

エスカルゴからずいぶん遠い皿になってしまった。けどバゲットの内側に香味バターが十分滲みこんでいた。

∇エビをカタツムリと言うは勝手だけれど、香味バターを塗っただけでエスカルゴを食べたと自慢しないでほしいと…