『食品の裏側』

「法の基準」としては問題ない。しかし「まごころ基準」に照らしてどうなんだ、と著者は今日の日本の食事情を本気で心配している。

食品の裏側―みんな大好きな食品添加物

食品の裏側―みんな大好きな食品添加物

食品添加物の罪ばかりでなく功もふくめて、みんなでよくよく考えましょうよ。「一括表示制度」やその他の表示免除を隠れ蓑にして、ある種の悪意がひそむ隙をあたえないようにみんな賢くなりましょうと、具体的な現場の例をまじえて述べている。

著者が心配しているのは、個々の食品添加物の一部が、単独で、あるいは複合して、生理学的に悪影響をおよぼす可能性があることもさることながら、「塩」と「たんぱく加水分解物」と「化学調味料」と「風味エキス類」の組み合わせの工業生産物が、安全性の問題と味覚破壊の問題をおこしていると訴える。
そしてさらに「ぶとう糖果糖液糖」の影響も、虫歯云々の問題よりもはるかに深刻化しているという。


若い頃アルバイトで短期間、「ヤッチャ場」で、防カビ剤の塗布された輸入グレープフルーツの選果をした。そのころの体調不良が、なんとはなしに思い出される。