ナマ講演のおもしろさ

友人に誘われて、都心へ講演を聴きに行った。ナマで聴くのはおもしろい。
書籍やテレビ、そしてウェブなどで、いくらでも活字や映像を手に入れることができる。けれども、得られる本人の語りはあくまでも限定的で間接的だ。
媒体を通じて流れるまでには、編集を通る。編集は出演者と編集者の「共同作品」ということができる。もちろん基になる出演者や執筆に重点がおかれるのか、それとも編集に力がいれられるのか、場合によりけりだ。編集のおかげで基よりもよくなる場合だってなきにしもあらずだ。だからといって、「編集の傲慢」「媒体の横暴」がでてしまう危険もあるけど。
これはむづかしい問題だ。

ナマの話しは直接的だ。直接的というのは情報量が格段に多くなると言うこと。ちょっとした言い回しとか、声のトーンとか、スペリとか、話しの脱線とか。リアルに伝わってくる。
そしてその玉石混交の情報の取捨選択が、聴いてる本人にまかされるということだ。だからある意味、楽しい知的バトルだ。

けれども常にナマでバトルしているわけにいかないから、整理されたものを読んだり見たりしたいことがある。レビューですませたいこともある。
そこに編集の妙がある。編集者というのは目立たないけどいい仕事をする。モラルハザードをおこして悪い仕事をする場合もある。

ところで話をもどすと、講演者は伊藤元重さんと、次に藤巻健史さん。いずれも著書は多いし特に伊藤さんは結構テレビに出演されている。そんなお二人にナマで話しが聞けたのはたいへんたのしいことだった。とくに日銀の

などの金融政策の変更が前日発表されたばかりだったから、なおさら聞いてみたかった。

マクロ経済学

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藤巻健史の実践・金融マーケット集中講義 (光文社新書)

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